篠田くんの取扱説明書
俺がもっと強かったら、守れたのに。
あんな怖い思い、させずに済んだのに。
……ごめん…、ごめんな…。
よろけながら家まで帰って、母さんに手当てしてもらった。
すごく心配されたけど、コケただけって言っておいた。
自分の部屋で、もらった缶ケースを見ていると、
ケースの底に、momoと書かれていた。
もも……名前か?
あの女の子は、ももちゃん?
「もも……」
いつかまた会える時が来たら、ちゃんとお礼を言おう。
そして……巻き込んでしまったこと、謝るんだ。