篠田くんの取扱説明書
「大雅くん」
「……仁」
「誕生日おめでとう」
大雅くんの誕生日。
大雅くんの家に行って、ピアスを渡した。
「……お前、その怪我どうしたんだよ」
まだ傷が癒えてなくて、大雅くんが心配そうに言った。
「殴られた。
大雅くんのこと恨んでそうな高校生に」
正直に言うと、大雅くんの表情が曇る。
「……俺のせいって言いに来たのか」
「違う。
そうじゃなくて」
「じゃあなんだよ」
「大雅くん、俺にケンカ教えて。
強くなりたいんだ」