篠田くんの取扱説明書
*大雅side
「仁」
「…!
なに、大雅くん」
「ニヤニヤしてんな、気持ちわりぃ」
放課後。
いつも通り、仁と一緒に下校していると、明らかに表情がいつもと違うことに気付く。
さっきから、唇の端に付いた絆創膏触りながら頰緩みすぎなんだよな。きっしょ。
「……やっぱ、運命だと思う」
「……百華が?」
「うん」
「ふーん。あっそ」
可愛らしいピンクの、さくらんぼが描かれた絆創膏。
百華がそれを使ってるとか意外すぎるけどな、と俺は思う。
桃奈ちゃんなら…あぁ。使いそうかもしれない。
今日、初めてあの子を見た瞬間、
この子だったらいいのにって思った。