篠田くんの取扱説明書
私も先輩のもとへ行くと、先輩が口角を上げて微笑んだ。
「お昼一緒に食べようか。
少し話したいこともあるし」
先輩はそう言うとスタスタと歩き始めた。
そういえば先輩、朝、変なこと言ってたな。
運命じゃないとか…どういうことだろう?
話したいことって、その事かな?
立花先輩についていくと、
先輩は迷うことなく、屋上に続く階段を上っていく。
そして先輩は、平然と屋上の扉の鍵を開けて、
どうぞ、と扉を開けて待っていた。
「屋上って、許可ないと入っちゃダメなんじゃ…」
「いいのいいの。
大事な話をする時には、こういう場所も必要でしょ」
ニコニコしてる先輩。
と、先輩の笑顔だけで骨抜きになりそうな勢いの秋穂。
大丈夫か秋穂…。
それより、話ってそんなに大事なことなのかな?