篠田くんの取扱説明書
屋上に足を踏み入れ、
3人でお弁当を囲うようにして座った。
「先輩はお弁当じゃないんですか?」
「うん。
俺はコンビニのパン。
最近ハマってんだ」
ははっと笑う先輩。
チラッと秋穂の方を見たら、
相変わらず目はハート。
きっと『コンビニのパンになりたい』とでも思ってるに違いない。
「これ食べ終わったら、話をしよう」
落ち着いたトーンだったけど、
少し圧を感じて、視線を下に向けながら「はい」と答えた。