篠田くんの取扱説明書
その質問をした瞬間、先輩は目を閉じた。
……え?寝たの?人に聞いといて?
でも目を瞑っただけかと思って、先輩に向かって呟く。
「今は、怖いなって思ってるので、
好きとかはわかんないです…。
どちらかと言えば、嫌いかもしれないです…」
「………」
「……先輩?」
ちゃんと答えたのに、返事がない。
首を傾げ、先輩に呼びかけてみると…。
「すー…すー…」
規則正しい寝息が聞こえた。
って!!ホントに寝とるんかい!!!
「私の返事に興味ないんかい!!」
「桃、大きい声出さないの!」
先輩起きちゃうでしょ!と人差し指を立てる秋穂。
私が悪いのか!?これ!?