篠田くんの取扱説明書
「急に近付かれても気付かないし、
咄嗟に助けようと手が出るし…
こんなこと初めてだわ」
「……そうですか」
初めてとか言われても、私が何か変なことした記憶なんてないし…。
「……アンタといると、
なんか穏やかな気持ちになるような気までしてくる」
「……え?」
「……って、気のせいだな。
百華以外にそんなこと、思うはずがない」
気にしないでくれ、と一方的に言ったかと思うと、
篠田くんは屋上へ続く階段をのぼり始めた。
「あ…!屋上は…!!」
今、先輩と秋穂がいい感じになっているかもしれない。