篠田くんの取扱説明書
……美月さんが歩いていったのは、視聴覚室の方だ。
やっぱり、篠田くんと一緒に帰るんだな…。
当たり前だ。彼女だもん。
立花先輩に反対されてても、内緒で付き合うくらいには好きでたまらない人なんだろう。
わかってる。わかってるのに…。
違ったらいいのにって、どこかで思ってたのかな。
少し、ショックを受けている自分がいて。
なんて、おこがましい。
好きになるとか、無駄だって、自分が一番わかってたのに…。
なんて、バカな私。
自分のことを、最低だと思った。
……こんな自分、気持ち悪いと思った。