篠田くんの取扱説明書
あの日。
帰ってから、なんてことしてるんだと思った。
彼女がいる人に、あんなメモまで置いて手作りのお菓子をあげるなんてありえない。
翌日なに言われるだろうってドキドキしてあんまり眠れなかった。
……眠れなかったのに。
篠田くんは、あのお菓子のことになにも触れてこなかったんだ。
それほどに迷惑だったのかな。
おかげであの日からずっと自己嫌悪。
自惚れすぎて、気持ち悪すぎて、穴があったら入りたい…。