篠田くんの取扱説明書
「無理…私はもう立ち直れない…」
ゴン、と机に額をくっつけて下を向いたまま目を閉じた。
「どうしたんだよ〜、桃〜!」
「……やっぱり、あげるんじゃなかった…」
「なんでよ?」
「……相手は彼女いるんだよ。
迷惑に決まってた。それくらい渡す前にわかったはずなのに、
きっと喜んでくれると思った私がバカだった」
「じゃあ約束通り、
あたしが篠田くんに怒ってやる!」
「そんなことしなくていいよ……秋穂」
どう考えても私が悪い。篠田くんは悪くないんだ。
「桃、あんま自分を責めないで。
あたしや先輩が行けって言っちゃったのもあるし、桃は悪くないよ」