篠田くんの取扱説明書
……たしかにね。
行くのを渋っていたとこにトドメをさしてきたのは先輩だったし…。
でも、行ったのは私の意志だ。
先輩や秋穂を責めたりなんて出来ない。
「はぁ…。
なんで美月さんと同じ土俵に立とうとしてたんだろ…」
「桃…」
篠田くんにとっての、“特別”って場所。
“彼女”と“殴らないヤツ”だよ。特別の意味、全然違うじゃん。
なに考えてたんだろうなぁ、私。
ただの殴らないヤツから手作りお菓子もらうって。
ありえな。気持ち悪いじゃん。
篠田くんも絶対そう思ってる。だから触れてこないんだ。