篠田くんの取扱説明書
「……ちょっと、気分転換してくる」
秋穂に声をかけて、教室を出る。
……中庭にでも行こうかな。
あそこならあんまり人がいなくて、落ち着くし。
校舎を出て、中庭のベンチに座ろうとフラフラと歩いていると、
上からポタッと水が落ちてきた。
え、雨?
嘘でしょ?と空を見上げると、
校舎の窓から、バケツがひっくり返されるところが見えて。
避けようと思った時には、
全身に冷たい水をあびていた。
「……う、嘘でしょ…」
誰だよバケツひっくり返したやつ!ともう一度上を見ると、そこにもう人はいなかった。
え、私がここにいたの、わかるよね!?
ごめんなさいとか、そういうのもないのかよ!!