偽装恋人などごめんです!
「え、それ、いつの話です?」
「……塩コショウおにぎり事件のときだよ」
もう十五年も前だよ。いやいや、それ以前に。
「佑さんロリコン?」
「……否定はできん。俺も最初はそうなのかと思ってショックだった。だから、そうじゃないと証明するためにほかの女性とも付き合ってみた」
「は? どうしてそういう動機で人と付き合おうとするの?」
そういうところがダメなんだよ。
人の気持ちを軽く考えすぎなんじゃないの。
「怒るな。だが俺だって混乱していたんだ。だが、やっぱり合わなくてすぐに別れた。それでもう一度真剣に考えたが、やっぱりかわいいと思う女は、野乃だけだったんだ。……だが、そこで気づいた。俺は別にロリコンではない。だって、俺は八歳だろうが、十五歳だろうが、二十歳だろうが、それが野乃だったから好きだったんだし」
「……は?」
苦悩に満ちた表情で言われたけど。これって告白?
「先月再会して思ったんだ。二十三歳の野乃は、もう大人だ。昔だったら障害でしかなかった年の差も、今なら乗り越えられる差だ。俺は今こそ、お前に告白するべきなんだって」
「はぁ……」
うん? やっぱり今告白されてるのか?
嬉しいけど、なんか今「私も好きです」とか超言いづらいんですけど。