偽装恋人などごめんです!
*
着いたところは美容院。
予約を入れてあったらしく、そこそこ混んでいたのにすぐに案内された。
「可愛らしいお嬢さんですね。河東谷さま」
「服はこれなんだ。合うように髪もメイクも頼む」
この美容室にはエステティシャンもいるらしく、たっぷり二時間かけて肌を磨かれ、髪を整えられ、化粧を施され……佑さんが選んだというワンピーススーツに着替えさせられた。
このパールピンクの色、どこかで見たな。お姉ちゃんが二次会のときに着ていたワンピと同じ色じゃん。
いわゆる清楚系の服装。華美過ぎない、清潔感のあるお化粧。
おじさん世代から好かれそうなお嬢様に変身させられた。まるで私とは正反対。
「あの、佑さんは」
「もうじきいらっしゃると思いますよ」
靴も履いてきたペタンコ靴とは違い、ベージュのヒールだ。
うわこれ、まともに歩けるかな。
「お綺麗ですよ」
「……はあ」
凄いのは、美容師さんの腕ですよ。
綺麗になったのは嬉しいけど、なんだかおもしろくない。
佑さんが望んでいるのは、こういう清楚系の……まるでお姉ちゃんみたいな人なんだって思ったら、胸がざわついて苦しい。
釈然としないまま、美容師さんのお世辞を受け流していると、佑さんが戻ってきた。
着いたところは美容院。
予約を入れてあったらしく、そこそこ混んでいたのにすぐに案内された。
「可愛らしいお嬢さんですね。河東谷さま」
「服はこれなんだ。合うように髪もメイクも頼む」
この美容室にはエステティシャンもいるらしく、たっぷり二時間かけて肌を磨かれ、髪を整えられ、化粧を施され……佑さんが選んだというワンピーススーツに着替えさせられた。
このパールピンクの色、どこかで見たな。お姉ちゃんが二次会のときに着ていたワンピと同じ色じゃん。
いわゆる清楚系の服装。華美過ぎない、清潔感のあるお化粧。
おじさん世代から好かれそうなお嬢様に変身させられた。まるで私とは正反対。
「あの、佑さんは」
「もうじきいらっしゃると思いますよ」
靴も履いてきたペタンコ靴とは違い、ベージュのヒールだ。
うわこれ、まともに歩けるかな。
「お綺麗ですよ」
「……はあ」
凄いのは、美容師さんの腕ですよ。
綺麗になったのは嬉しいけど、なんだかおもしろくない。
佑さんが望んでいるのは、こういう清楚系の……まるでお姉ちゃんみたいな人なんだって思ったら、胸がざわついて苦しい。
釈然としないまま、美容師さんのお世辞を受け流していると、佑さんが戻ってきた。