小さいけど、男だよ？
そして、ひよりはお金を貯めてリヒテンシュタインへアスターに会いに来たのだ。

シンプルなＶネックTシャツにロングスカートのクールな格好をし、二年ぶりに互いの体温に触れる。

「行こう」

「うん！」

二人は指を絡ませ、空港を後にした。



ひよりはアスターに案内され、リヒテンシュタインの首都、ファドゥーツの街でデートすることになった。

「ここはリヒテンシュタインセンターだよ」

アスターが最初に案内したのは、リヒテンシュタインの文化や観光にまつわる情報が集まっている場所。リヒテンシュタインに来たほとんどの人が訪れるそうだ。

「ここで入国スタンプがもらえるんだ」

「ここで！？パスポートに観光案内所がスタンプ押しちゃっていいの？」

「いいんだよ。記念に押してもらったら？王冠が入ったスタンプだよ」

驚くひよりの手をアスターは握り、スタンプを押してもらう場所まで連れて行く。

リヒテンシュタインは自国で入国検査をしないため、ひよりはスイスの税関検査を受けてやって来た。入国スタンプがないのは当たり前だ。
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