絶対離さないから。
でも、忘れようと思うほどさらちゃんの存在は濃くなっていった。


私は忘れるのを諦めて、ももえちゃんとの話に夢中になろうと思った。


……わたし、ももえちゃんに、悪いことしてる。


さらちゃんを忘れるための、道具にしてる。


そんな事を考えていたせいで、ももえちゃんの声がぼんやりにしか聞こえない。


わたしはまだ考え込んでいて、ももえちゃんがわたしに何度も話しかけてくれていたのも気付いていなかった。


そしてふいに、ももえちゃんの顔がドアップで写り込んできた。
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