絶対離さないから。
「あれ、1ヶ月に一回しかしないから、凄いレアなんだよ⁈すごぉい!」


「えへへ……なんかありがとう。」


…………にへらと笑うと、それまで静かに眠っていた男の子が、声をかけてきた。


「…………なにが凄いわけ?」


「げっ!」


その男の子が話に入ってくると、ももえはあからさまに嫌そうな顔をした。


「…………一ノ瀬、くん。」


わたしがそう、ぽつりとつぶやくと一ノ瀬くんは、ぴくりとわたしのほうを見た。


一瞬わたしを見たけど今日は一ノ瀬くんから目を逸らした。


ももえは、そんなわたしたちを見て、目を丸くした。


「なになに?どーしたの?」


「え、あ、ううん。なんでもないの。
それよりきょうもケーキショップ行こ?」


「え?うん、いいけど……」
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