絶対離さないから。
「あー、やっとせいせいしましたわ。

では柚木あまね。さようなら。」


「まっ!」


私は反射的にさらちゃんの腕をつかんだ。


さらちゃんはそれにびっくりして私を見返してくる。


「友達じゃ……なかったの?」


「ええ、それを思っていたのは貴方だけよ。」


「そんな…………」


「、良い加減にしてくださらない?そのうす汚れた手で私をさわらないでちょうだい!」


「う、あ……」


無理矢理に振り払われた手はそのまま壁と壁の角に思い切りぶつかった。
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