溺愛アフロディーテ 地中海の風に抱かれて
「どうしたんだい、美咲」
え?
「なんだか僕に興味がないみたいじゃないか」
「そんなことはないわよ。ただ……」
「ただ、何?」
「何が本当なのかが分からなくて」
ミケーレが私に顔を近づけてささやく。
「僕は君に嘘を言ったことはないよ」
「ごめんなさい。そうじゃなくて。ふだん、あまりそういう甘い言葉を言われ慣れてないから」
「僕がイタリア人だからかい?」
そういうことなんだろうか。
「チャラ男のチョイ悪オヤジだと思うのかい?」
さすがにそんなふうにはもう思ってはいない。
「最初はそう思っていたけど」
「じゃあ、今は?」
私は答えられなかった。
私はあなたを……。
先に言葉をつないだのは彼の方だった。
「君は僕の女神。君は僕のヴィーナスだ」
私は視線を合わせることができなかった。
「君は僕のアフロディーテ。そして……」
そして……?
「ティ・アーモ」
彼が私の耳たぶに口づけた。
「僕は君を愛している」
私はうつむいたままうなずいた。
私も、あなたを愛している。
でもそれを言葉にすることはできなかった。
本当にそれを口にしてしまったら、この夢から覚めてしまうのではないかと不安だった。
「美咲」
彼が私を抱き寄せる。
「これでもまだ信じてもらえないのかい?」
「違うのよ。世界が違いすぎて」
「世界は一つだよ。だから僕らも会えたんじゃないか。どうして君はありのままの僕を見てくれないんだい?」
「ありのままのあなたがすごすぎるからでしょうよ」
分かってはいたことだけど、やはりため息が出てしまう。
「持っている物が違いすぎるのよ。私は普通の人間で、クルーザーも、ヘリコプターも別荘も持ってないもの」
「僕だって普通の人だよ。宇宙人でも異世界人でもない」
私はただの会社員で、あなたは……。
え?
「なんだか僕に興味がないみたいじゃないか」
「そんなことはないわよ。ただ……」
「ただ、何?」
「何が本当なのかが分からなくて」
ミケーレが私に顔を近づけてささやく。
「僕は君に嘘を言ったことはないよ」
「ごめんなさい。そうじゃなくて。ふだん、あまりそういう甘い言葉を言われ慣れてないから」
「僕がイタリア人だからかい?」
そういうことなんだろうか。
「チャラ男のチョイ悪オヤジだと思うのかい?」
さすがにそんなふうにはもう思ってはいない。
「最初はそう思っていたけど」
「じゃあ、今は?」
私は答えられなかった。
私はあなたを……。
先に言葉をつないだのは彼の方だった。
「君は僕の女神。君は僕のヴィーナスだ」
私は視線を合わせることができなかった。
「君は僕のアフロディーテ。そして……」
そして……?
「ティ・アーモ」
彼が私の耳たぶに口づけた。
「僕は君を愛している」
私はうつむいたままうなずいた。
私も、あなたを愛している。
でもそれを言葉にすることはできなかった。
本当にそれを口にしてしまったら、この夢から覚めてしまうのではないかと不安だった。
「美咲」
彼が私を抱き寄せる。
「これでもまだ信じてもらえないのかい?」
「違うのよ。世界が違いすぎて」
「世界は一つだよ。だから僕らも会えたんじゃないか。どうして君はありのままの僕を見てくれないんだい?」
「ありのままのあなたがすごすぎるからでしょうよ」
分かってはいたことだけど、やはりため息が出てしまう。
「持っている物が違いすぎるのよ。私は普通の人間で、クルーザーも、ヘリコプターも別荘も持ってないもの」
「僕だって普通の人だよ。宇宙人でも異世界人でもない」
私はただの会社員で、あなたは……。