人見知りな君と、ボーイッシュな私

いつきはそう言い、痛い足を引きずる。そしてゆっくりと保健室へと向かった。



保健室までの道のりが怪我をしているためか、いつもより長くいつきは感じた。

廊下を歩く生徒たちから心配の声をかけられ、「平気だよ！」と明るい笑顔を見せる。それを繰り返し、ようやく保健室までたどり着いた。

「Przepraszam（失礼します）」

そう言い、いつきが保健室に入ると「いつき！どうしたの？」と心配そうな顔をしてフェリクスがいつきに駆け寄る。

「いや、サッカーしてたら転んじゃって……。先生は？」

「さっき出て行っちゃったよ。それより早く座って！手当てするから！」

「え、いいよ。これくらい舐めておけば治るでしょ」

「女の子なんだし、体に傷が残ったら大変じゃない！」

渋るいつきを椅子に座らせ、フェリクスは消毒などを取り出す。そして砂のついた傷口を綺麗に洗い、消毒を始めた。その手つきはとても優しく、いつきは真剣な表情で手当てをするフェリクスを思わずじっと見てしまった。