詩集の刺繍
君に恋していたいんですっ
いくら声をかけても君は振り向いてくれなくて…
ムッとして
ほっぺを林檎みたいに赤く膨らませて
大きな声で呼んでも

やっぱり君は見もしない

あぁ。

背伸びして

かわいくして

いつもとはちょっと違う匂いの香水つけても

君は何も言ってくれなくて

隣を速足で歩く君を見上げて

手を繋ぎたいな

ギュッてしてほしいな

とか、思ってること君は知りもしないんでしょ!?
私の好きしか見えないよっ

もう、諦めようかな

って思うと必ず君はやって来て、無邪気な顔で笑いかけるの

ずるいよ

ほんと君はずるいよ

そんなんされたら離れらんないじゃん

君はずるいから
もうちょっとだけ、私は君を追いかけるよ

いつか追いついて
今度は私が君に笑いかけてやるんだからっ!!
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