スタンドバイミー
「須藤夜琉、という名前です。雅さんとは同じ学年ですが、知っていたりしますか??」
いや、全然知り合いだ。というか、知り合いどころか、夜琉は私の幼馴染みですらある。
くっ、私は生徒会に功績でも残して入りたがっているのに、この男はずっと断っていたのか。なんだか腹立たしい。
ずっと黙っている雅に、「雅さん、、??」
と四宮先輩が声を掛ける。
その声にハッとなり、雅は顔を上げた。
「あ、、。はい。一応知り合いです。」
と答えると、じゃあよろしくお願いしますね、と言い、直ぐに何かの書類を渡され、四宮先輩はその場を立ち去ってしまった。
(まあ、この間生徒会長である櫂が直々に須藤夜琉という男を説得させに言ったが、失敗に終わったみたいだし。彼女が何と言っても、須藤を生徒会に入れる可能性は低い。取り敢えずお手並み拝見といこうか。)
(万が一にでも成功すれば、少しくらいのご褒美はあげます。)
そう心の中で黒く思っていることを雅は知らず、自分が生徒会に入るため、どう夜琉を納得するか、思考を巡らせていた。