スタンドバイミー
そう言い切ると、ため息をついて、半ば呆れたような、でも先ほどよりは幾分も柔らかい声で、
「まあ、一回決めたら、お前、梃子でも動かねえもんな。」
「う、、ごめんなさい。」
「しょうがねえから、協力してやるよ」
そう言って、私の頭をポンポンと撫でて、笑ってくれた。
「え、嘘」
「はあ?嘘じゃねえよ」
「だって、さっき猛反対だったし」
「そりゃ、嫌だからしょうがねえだろ。」
「じゃあなんで入ってくれるの!?!?」
「幼馴染みのよしみ、ってやつ」
ま、ほんとはそれだけじゃないけどな。
なんかブツブツ言ってるけど、それはもう無視でいいや!兎に角入ってくれてうれしい、としか、その時は思っていなかった。
「ええー、ほんとに!?!?有り難う!!やっぱ持つべきものは私を理解してくれる幼馴染みだね!!」
夜琉が入ってくれることになって、かなり嬉しくなり、私は一言余計に喋ってしまう。
「いやー、優しすぎ!!これで夜琉がイケメンなら、最早言うことないよ。私、夜琉と付き合いたくなるかも。」
、、、それはほんとに思っていること。夜琉は、前髪が長すぎて、目元くらいしか見えない。
ついでにしゃべり方も私と話すとき以外静かなので、あだ名は地味男、っていわれてる。
かくいう私ですら、夜琉の顔は見たことがない。
「はあ??お前俺のこと馬鹿にしてるだろ」
また怒らせてしまった。
「取り敢えず、言質はとったからね!?」
「はいはい。」