オタクですけど、何か?~友情編~
クラスメイト達もようやく新生活に慣れ、気の合う友達との楽しそうな会話が飛び交う教室内。
その隅っこ。面倒事から回避したいが為に極力、存在感を消しひっそりと生息してるというのに、人間は他人の事が気になって仕方ない生き物のようだ。愚か者め。
四方八方から視線を感じるも、僕は知らないフリをする。
「うわっ…ちょっと見てよあのオタク男!
アイツ休み時間も何か変なの読んでるんだけど~」
変なのじゃありません。同人誌です。
全くこれだから近頃のリア充は……
同人誌も知らないなんて羞恥心の塊ですね。
「マジキモ~~い!」
ああそうですか。だからこうして、わざわざこちらが空気を読んで教室の隅で迷惑掛けない様に大人しくしてやってるんですよ。それも汲み取れないとは信じられませんね。
そもそも、キモいと分かっていて何故見るんです?
馬鹿なんですか?
オタクを見てキモいだとか騒いでる暇があるんなら、もっと高校生活を満喫する事を強くお勧めします。それはもう僕の存在が霞んでしまうくらいに。