真 実
椿は、浅倉財閥の娘で
人間国宝の浅倉進氏の孫だとわかり、
俺は椿の父、浅倉大悟さんに
話しを通した。
(大悟さんは、浅倉財閥の総帥)
大悟さんは、俺の真剣さが伝わり
「椿が良いなら。」
と、言ってくれた。
それからは、椿に何度も
気持ちを伝え、椿から了承を
得たのは、気持ちを伝えてから
一年以上が過ぎていた。
椿が言うには、
「だって、春樹さんは、
女性にモテるし
私みたいな地味で
取り柄のない女性より
綺麗な人が良いと思っていたから。」
と、言う
「確かに寄ってくる女はいたが
俺が、そばにいて欲しいのも
愛しているのも
椿だけだ。
俺の、この想いを疑うな。」
と、言うと
椿は、真っ赤になりながら
頷いてくれた。
それからは、時間の許す限り
椿と共にいた。
仕事が忙しく平日は
ほとんど会えない為
「部屋で待っていて欲しい。」
と、お願いした。
椿は、躊躇していたが
本当に中々会えない事がわかり
夕飯の準備をしてくれるようになった。
ピアノの日は、俺が迎えに行き
椿を送るようにしていた。
他の男に椿をみせるのは
嫌だったが、自分の店でもあるし
萩原が譲らなかった。
椿との交際も順調で
バレンタインのお返しに
ホワイトデーの日に
プレゼントと共にキスをした。
全てがはじめての椿は
とても可愛くて、初々しくて
鼻で息をしてなくて
はぁ、はぁ、と、肩を振るわせる
「鼻で息をして、ほら練習。」
と、いって何度もキスをする。
椿は、涙目になりながら
頑張っているのをみて
俺は、やめられない気持ちを
なんとか、抑えて
椿の甘く、柔らかい唇から
自分の唇を離した。
椿は、力が入らずに
俺に身体を預ける形になって
「ごめんなさい。」
と、言う
「俺こそ、ごめん。
あまりにも椿が可愛くて
やめれなかった。」
と、言うと真っ赤になりながら
俯く椿に、再びキスをした。