真 実

「眠れませんか?」
「ああ。椿に間違いないと思うが
やはり、この目で確かめたい。
だが、わかっていても・・・
椿が、俺や星樹がわからないのを
現実にみるのは・・・・」

あまりにも、おつらそうな春樹様に

「春樹様・・・もう一度、検査を済ませ
後は、春樹様がお側にいることで
きっと、椿様は、元に戻ります。」
「・・・そうだな・・ありがとう。
隼人、お前にも大変な思いをさせたな。
すまなかった。」
と、言うと
「私は、春樹様のお側にいて
椿様とお幸せにされているお姿を
みる事が、私の幸せに繋がるのです。」
と、伝えると
春樹様は、ふっと鼻で笑い
窓から見える暗い海を見ていた。

春樹様が、この一年
どんな思いで椿様の身を案じ
心配されていたか・・

中々、捜査が進まずに
憤りを感じてイライラされる事も
あったが、会社をきちんと運営し
星樹様を大切に育てられ
気の休む日はなかったのでは
ないだろうか・・・・

本当にお強い方だ。

「春樹様、明日に備えまして
眠れなくても、横になられて下さい。」
「そうだな、隼人も、もうやすめ。」
と、言って二人で布団に入った。
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