真 実
少しすると・・部屋のドアが
< コンコン >‥‥‥と。
春樹がドアを開けると
隼人と緊張した顔の星樹がいた。
俺は、星樹を抱き上げて
部屋に入ると・・・・
椿は、星樹を見て
再び涙を流し・・・
星樹に両手をのばした‥‥‥‥
俺は、星樹を下に下ろすと
星樹は、俺を見上げた
俺は、星樹に頷くと
星樹は、
「ママっ・・ママっ・・・」
と、ベッドに上がり
椿に抱きついた。
椿は、星樹を抱き締めて
「せ・・なっ・・私の愛しい子・・・」
と、いった。
「ママっ!!ママっ!!」
と、何度も呼ぶ星樹
「椿様、ご無事で良かった!!」
と、隼人が口にすると
少しびっくりした椿だったが
俺が星樹を抱き締めた椿を
そのまま抱き締め
「わかるか?隼人だ。
俺の秘書の。
椿がいない間、俺をずっと
支えてくれたんだ。」
と、伝えると
「はや・・とっ?」
「はい。椿様、曽我 隼人です。」
「・・隼人・・ありがとう。
春樹のそばにいてくれて
星樹の面倒もみてくれたのでしょ?」
「いいえ、もったいないお言葉。
ですが、星樹様は、日中は、里さんが
夜は春樹様が
見られていました。」
「里さん?春樹さんの乳母の方ね。」
「そうだ。椿、記憶は
戻ったのか?一部だけか?」
と、俺が訊ねると
椿は、星樹の頭を撫でながら
「だいたい・・・かな?
お祖父様の容態は?」
「お祖父様も酷く心配されている。
帰りに寄って、顔を見せて上げよう。」
と、言うと、椿は満面の笑みで
「うん。」
と、頷いた。
俺達は、才賀先生にお礼を伝えて
山野さんのお宅に一度戻り
ヘリを呼んだ。
事前に待機させていたから
直ぐに来てくれる。
才賀先生と山野さんには、
改めてご挨拶に伺う事を
伝えて、ヘリに乗り込み
本土に戻り
お祖父様の宅に寄ると
お祖父様は、涙を流しながら
喜んでくれた。
星樹も久しぶりの
大きいおじいちゃまに合えて
嬉しそうにしていた。
自宅に帰ると
里が目を張らして泣きながら
「椿様、ご無事で何よりで
ございました。
この度は、
私の孫娘が申し訳ございません。」
と、土下座をして謝ると
「里さん、春樹の事や星樹の事
ありがとうございました。
きちんと事件の事がわかっている
わけではありませんが。
春樹にききました。
里さんとお孫さんは、関係ありません。
私も春樹も星樹も隼人も
里さんが、大好きなんです。
体の許す限り
ずっと一緒にいて欲しい。」
と、椿が言うと
はっと、顔をあげた里は、
首をふっていたが
「里、椿の言う通りだ。
俺と椿の母親変りだろ
なら、体が続く限りそばにいろ。」
「春樹様・・・
椿様・・・ありがとうございます。」
と、里が言うと
星樹が里の頭を撫で
里は、
「お優しい、星樹様
里は、嬉しゅうございます。」
今日は、五人でゆっくり食事をして
隼人と里は、帰っていった。
隼人が、明日は俺を休み
してくれていたので
桜小路指定の病院で椿は
検査を受ける事にした。