真 実


夕方近くに

お医者様?らしい

年をとられた男性が

部屋に入ってきた。

私の顔を見るなら

一瞬・・驚いた顔をして

ニコリと笑い

「目が覚めましたか?」
と、言ったから私は、
「・・はい・・・なんとか。」

「で?自分が誰であるか?
どうして、ここにいるのか
わからないと。」

「・・・・はい?!」

「診察をさせてもらえるかね?」

「あっ、はい。お願い致します。」
と、言うと先生は、私の体の
あちこちを診察していく。

「うんうん。
異常は、みあたらないな。
後は、体力をつけて、
少しずつ体を動かしなさい。
記憶は・・・
どうなるか・・わしにもわからん。」
「戻る可能性は?
それとも、もどらない?
のでしょうか?」
「何かの拍子に戻る可能性が高い。
ゆっくり進みなさい。」
「ありがとうございます。」
と、頭を下げると
先生は、部屋から出て行った。
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