君が見ているその先は
海斗(Kaito)くんは俊介の幼馴染。つまりは凪の幼馴染でもある。
俊介と凪を通してなら数回海斗君と話したことあるけど二人だけでは話したことはない。そもそも一年生の時も、今の自分たちの学年である二年生でも違うクラス。接点がないのだ。
海斗くんの印象としては、背が高くてとにかく優しい。あと顔が良い。
『顔が良い』つまりはイケメンである。イケメンに加え背が高い、優しい、スポーツも得意だそうだ。勉強は苦手らしいけどそのギャップに惹かれる者も少なくない。というか、そんなもんじゃないのだ。彼は入学当初から一目置かれていた。同級生はもちろん、先輩からの人気も高かった。
ほんと、凪がなんで海斗君じゃなくて俊介のほうを好きになったのか、、。
私が海斗君と幼馴染だったら絶対に好きになってる。そう思ってしまうほどに彼の魅力は底知れない。
「いやあ、今日も海斗君の顔が良い。」
そう、無意識に声が出るほどに。
「まーた言ってるよ。本当に好きだよねあんた、海斗の顔面。」
私の声にすぐに反応し、且つ呆れた顔で凪は言う。
凪が呆れるのも無理はない。それぐらい私は頻繁に海斗君の顔を絶賛しているのだ。もちろん本人の前で言ったことはないけど。
でも許してほしい、私は俗にいう面食いってやつなんだ。
イケメンでも美女でも顔の良い人を愛でるのはしょうがないでしょ、?
「イケメンなのがいけないよ。なんであんな完璧な顔が同じ空間にいて興奮しないのか、わからないよ私には。」
その私の発言にはさすがに引いた顔をした凪。
やめてよ、そんな顔で見ないで。
「まあ私は昔から見てるからもう見飽きたよ。詩乃もそのうち飽きるよ本当。美人は三日で飽きるっていうしね。」