君が見ているその先は
「はぁ」
「なにどったの、詩乃。」
ありがとう凪。こんな如何にも構ってほしいみたいなため息に反応してくれて。
実は私今気持ちドヨドヨ状態なんです。
「あのね、私カフェでバイトしてるじゃん?
個人経営のお店だからあんまりバイトとらないよーってオーナーさん前から言ってたんだけど、
なんか高校生の男の子を来週くらいから雇うらしくて、私が教える人?っていうのかな、なんていうんだろ、あ、そう、教育係になっちゃって、、
なんで私が、って思ったんだけど、今バイト私と大学生の人二人だけなんだけど、ちょうど来週から実習が入っちゃってて教えられないらしくてさあ。」
「えっそうなん。てかそのお店のバイトって二人しかいないの?」
「うん。お店は割と広くないし、ほんとはご夫婦二人だけでもやってけるっぽいんだけど、若い人の意見が欲しいらしいんだよね。
てことで二人だけ男女でバイト雇おうってなってらしくて、私たちが雇われたんだけど、お店が軌道に乗ってきてお客さんも増えてきたから一人だけまた雇おうって言ってて、で、高校生の子が来るの。」
「へえ、確かに教えるのって重荷だよね。間違ったこと教えちゃったらヤバイし、
ていうか、まず、詩乃的に問題なのは男の子ってことだよね」
ああ、よくお分かりで!さすが凪!
実は私、あんまり男の子と喋るの得意じゃなくて、
俊介はまた別なんだけど、クラスの男の子も業務連絡以外喋んないし。
バイトの大学生の人、あっ冬也(Touya)って言うんだけど、その人とも緊張しないで話せるようになったのも最近だし、、
うう、どうしよ。
「まっがんば!!」
もっとなんかアドバイスないの、凪ぃ。