死者の舞踏〜最期のメッセージ〜
「朝から私、パソコンで死因について調べていたの。三人の周りで病気にかかっている人はいないかしら?」

しかし、如月刑事は首を横に振った。三人の周りで風邪をひいている人はいないらしい。その時、大河が言った。

「俺、実はバレエ団の人に会って話を聞いてきたんですよ」

藍は驚き、如月刑事が「勝手なことを!」と言うが、大河は気にすることなく藍を見つめながら言う。

「その話した人は、日本では見かけないアクセサリーを身につけていて、「どこの国で買ったんですか?」って訊いたんです。すると、その人自身が買ったんじゃなくて退職した同僚がアフガニスタンに旅行に行った時にお土産でくれたって言ってました」

藍の頭の中に、朝から調べていたことが思い浮かぶ。大塚哲也が行っていなかった地域だったためあまり詳しくは調べなかったが、ある病名が上がったのだ。

「そのお土産をくれた同僚の方は病気を発症していないの?」

「元気にしているそうですよ」
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