番外編 溺愛旦那様と甘くて危険な新婚生活を
「さて、花霞さんにはして欲しい事があるんだ。とっても大切な事だ。俺のお願い聞いてくれるかな」
「………それは、その願い事によるわ」
「ちっ………俺が優しくしてればっ!」
「あっ……いっ………」
花霞の髪を引っ張り、蛍は自分の顔に花霞の歪んだ顔を引き寄せた。彼の息がかかるほど近距離になる。彼の綺麗な顔は、怒ると恐ろしいほどに怖かった。
「次、歯向かったら腕から順番に切ってやる。あぁ……それとも、服を切って裸にした方が効果的かな?」
「………」
「花霞さん。俺があんたに近づいて優しくしてたのは、君が俺を好きになれば操れると思ったからだ。………俺はあんたなんて好きじゃない。惚れさせれば楽だったからだ。………だから、俺を怒らせるなら殺すだけだ」
蛍はそう言うと、また花霞を突き飛ばし、ソファに投げ捨てた。
花霞は、ジッと彼を見つめた。
本当は恐怖で体が震えだしそうだった。
「助けて」と叫びたかった。
けれど、これは花霞が決めたこと。
自分が椋のためにしようと思ったことなのだ。
花霞は、涙を我慢するために両手を強く握りしめた。爪が食い込むほどに強く強く握った。