番外編 溺愛旦那様と甘くて危険な新婚生活を
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蛍の家族は優秀だった。
弁護士や医者、政治家など、社会的に地位の高い仕事をしている親戚が多く、両親も2人の兄もそうだった。
もちろん、蛍も成績優秀だった。
けれど、蛍が興味を持ったのはパソコンだった。
医者にもなれる優秀さがありながら、蛍は医学部に行かずにネットの世界に飛び込んだ。
そんな蛍の行動に両親や親戚はあまり良く思っていなかったようで、不仲になっていった。
そんな環境変化がありながらも、蛍はソフト開発を夢見たり、ロボットを作りに没頭し研究していた。けれど、友人とちょっとした出来心で、とあるシステムに不正にアクセスしてしまった。それがバレて警察が自宅にやってきたのだ。
学生だった蛍は厳重注意、両親も怒られてしまった。
その事でプライドの高い家族は激怒し、蛍を家から出し、絶縁したのだ。
蛍は急に独りになった。
なに不自由ない暮らしをしていたはずなのに、一気に貧乏学生になってしまったのだ。
家にも住めず、バイトをしながら細々と生活をしている時に声をかけられたのが、麻薬組織の男だった。
いい仕事があると言われついていくと、そこは麻薬の取引をするところだった。
始めは麻薬の運び屋をしていた蛍だったけれど、ネットの知識があると知ると「ネットでバレないようにサイトをつくれ」と言われた。得意分野だった蛍はそれをすぐに作り上げると、麻薬組織の男たちから、大いに褒められた。
人に頼られ、褒められることが少なかった蛍は、とても嬉しかった。
アパートを借りたり、人らしい生活が出来るようになり、蛍は自分のお金を使って大学も卒業したのだった。