番外編 溺愛旦那様と甘くて危険な新婚生活を
彼の奔放さには呆れてしまう事も多々あった。けれど、自由なところと裏表のない性格。裏社会にいる人とは思えないキラキラとした笑顔と一緒にいるうちに、蛍は彼といると安心すると気づいた。
この人ならば信じられる。
そんな風に思えた。
誰にでも気軽に話しかけ、仕事をさせれば完璧、そして情報力ある。
自分より後から入った部下のような存在のはずだが、誰よりも信頼できる年上の男になっていた。
それぐらいに、ハルトは蛍にとって眩しくみえる存在になっていたのだ。
「なぁ、ホタル。おまえはこの組織にあとどれぐらいいるつもりだ?」
「………え?」
地元のラーメン屋に入った2人は店の1番奥のカウンターに座っていた。
注文したラーメンが届く間、ハルトはそんな事を言ったのだ。
考えたこともなかった言葉に、蛍は返事に詰まってしまった。
「いつまでもこんな所にいるつもりはないだろ?おまえの知識なら、どこの会社でもやっていける。必要としてくれる所はたくさんあるだろう」
「………そんな事ないですよ。俺、まともに表社会で働いたことないし」
「…………俺がいいところ、今度紹介してやる。って言っても、まぁー………驚く場所だろうけど。友達なんだ、俺を頼ってくれ」