番外編 溺愛旦那様と甘くて危険な新婚生活を



 そんな時だった。
 ハルトが蛍が知らない人物と接触していたのだ。いつもとは違うスーツ姿で出掛けたので、蛍は不思議に思うと何やら高級料亭に入っていったのだ。組織の取引なのだろうか、と思った。けれど、店から出てきた男を調べると、それは警察の幹部である滝川という男だった。


 ハルトが警察の幹部と話しをしている理由。
 それは何故か。
 答えは1つしかなかった。


 「…………スパイ…………」


 蛍がその言葉を出した瞬間。
 それが現実のものになったような気がした。

 これを上に報告をすれば、彼はどうなるかわからない。
 檜山はきっと激怒するだろう。
 組織の情報が全て警察に筒抜けになっていた事になるからだ。

 蛍は監視カメラの映像や滝川のデータが写るPCを止めようとした。


 「なるほど………これは十分な証拠になるな」
 「っっ!………檜山さん」



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