番外編 溺愛旦那様と甘くて危険な新婚生活を
「あんまり期待しないでくれ」
「そんな!少し一緒に動いただけでも、かっこいい先輩だと思っていますよ!」
「………誠。おまえの噂の方がすごいと思うぞ。サイバー課で活躍していたそうじゃないか。手放したくなかったと言われたんだぞ」
「いいんです!サイバー課はいつか戻ればいいんですから」
「…………まぁ、厳しくするけどな」
「はい!よろしくお願いいたします」
椋がそういうと、誠は大きな声で返事をした。それを聞いた職場の仲間達は「若いねー」と笑っていた。
椋が配属されたのは刑事局の組織対策本部という場所だった。暴力団や薬物対策をする場所であり、椋は前と同じように薬物銃器対策課に配属されたのだった。
昔の経験を生かしてほしいとの事だろうと思われた。
椋は誠との話を終えた後に自分のデスクに戻り、仕事を進めていく。
すると、自分のスマホが点滅しているのがわかった。この日はまだ休憩も取れていなかったので、スマホを見る時間もなかった。
そのため、椋はその内容を確認するためにメッセージを開いた。すると、花霞からのメッセージがあった。それを「花霞」という名前が表示されるだけで椋は思わず微笑んでしまう。
花霞からのメッセージは「今日は暑いから冷しゃぶにしようと思います。」という、簡潔なものとうさぎのスタンプだった。椋はすぐに「楽しみにしてる」と送る。それを閉じようとすると、隣のデスクの誠が、「あー!噂の奥さんからですか?」と覗いてくる。
けれど、椋は「勝手に見るな」と頭を押して自分のデスクに戻るように促した。