番外編 溺愛旦那様と甘くて危険な新婚生活を
そして、花霞の生活も少しずつ変わってきていた。
栞の勧めで、ブーケ教室を始める事にしたのだ。栞はフラワーアレンジメント教室をしていたが、ブーケがあっても楽しいんじゃない?と言われ、週に1度やってみる事にしたのだ。
SNSで紹介した事もあり、初回から数人が集まってくれた。初めは緊張したけれど、花が好きな人たちに教えながら、おしゃべり出来るのは嬉しかった。そして、「また来ます」と、言われた時は感動して泣きそうになってしまったぐらいだった。
次は何を教えようか。そんな事を考える時間も楽しかった。来てくれた人は全員が女性で、
結婚式のブーケを自分で作りたい人、お店に飾りたい人、趣味でやってみたかった人と理由は様々だった。
毎回毎回違うテーマでやってみるのもいいなぁーと、時間を見つけては考えていた。
「こんにちは」
「あ、蛍くん!いらっしゃいませ」
今は他のスタッフはみんな休憩に行っているので、この店には花霞一人だった。客足も落ち着いていたので、花霞はブーケを作ろうかと思っていたところに、蛍が来店したのだった。
今日はサマーニットに細身のズボンで全身が黒だった。けれど足元のシューズだけが白にしており、おしゃれなコーデをしているなと思った。
蛍は、1度来店してからというもの何度かこの店に来てくれていた。あれから家に花を飾るのが楽しくなったと5日1度は来てくれるようになったのだった。ブーケではなく1輪だけだったり、小さなブーケを買ったりもしており、花が好きになってくれ、仲間が増えたようで花霞は嬉しかった。