番外編 溺愛旦那様と甘くて危険な新婚生活を
「遥斗。俺、結婚したんだ。まぁ………知ってると思うけど。花霞ちゃんを助けてくれて、ありがとう。そして、悪かった………」
椋はそう言うと少しの間、言葉を止めた。
助けられなかった事。そして、復讐のために動いていた事。彼がどちらについて謝って知多のかわからない。もしかしたら、どちらの事も考えていたのかもしれないし、どちらでもないかもしれない。
それは彼と遥斗だけが知る事だ。
遥斗が亡くなり、彼の復讐をしようと決意してから、椋はここには来ていないと聞いていた。復讐が終わる頃には、自分も遥斗のところへ行けると思っていたのだ。
けれど、今はそれもなくなり、椋は花霞と生きていく事を決めた。遥斗がそれを後押ししてくれたと、花霞も椋も思っていた。
「おまえとの約束した夢を叶える事にした」
「…………ぇ」
椋の言葉に、花霞は思わず顔を上げた。
椋は遥斗に1番かっこいいものが何かを教えてもらった。それになるために、椋は頑張ってきたのだ。
けれど、遥斗が亡くなり復讐心からそれを辞めてしまったのだ。