番外編 溺愛旦那様と甘くて危険な新婚生活を
「もうこんな時間だ。花霞さんには連絡したのか?」
「いえ………まだです………」
「メッセージ入れとけ。心配して連絡来ているんじゃないのか?」
椋が慌ててスマホを開くが、花霞からのメッセージは届いていなかった。
だが、その代わりにまたメールが1件届いていた。
それを見て、椋はハッとした。また、あのメールだろう。そんな予感がした。
椋はそのメールフォルダを恐る恐る開ける。
すると、宛名には「遥斗」と書かれていた。
椋は、嫌な予感がしたけれど開けないわけにはいかない。中身を見ないで削除をしてもいいのだが、なぜかそう思ってしまうのだ。
指でそのメールに触れるとすぐに画面は切り替わる。
そこには、いつもより少し長めのメッセージが届いていた。
『先輩が一緒に死んでくれないなら、先輩が大切なモノを貰います』
そのメッセージを目にした途端に、椋の顔色が変わった。
椋を殺すために、大切なモノを奪うために、爆発をした。作戦内容は相手に漏れていたのだ。そうなれば、椋と椋の部下である誠が、あの場所から侵入するのはわかっていたはずだ。
だからこそ、あの場所に爆発物を置いたのだ。
そう考えるのが1番納得できるのだ。
それに、椋の勘がそう言っている。
俺が居たからあの作戦は失敗しなかった。
俺がいなかったら、誠は怪我をしなかって。
椋はそう思い、激しく動揺してしまう。
体が重くなり、一気に体温も低下したように感じた。