番外編 溺愛旦那様と甘くて危険な新婚生活を


 
 「随分、買い込んだな。パーティーでもするみたいだ」
 「椋さんが最近忙しそうだから。好きなものいっぱい食べて、元気になってほしくて」
 

 仕事終わりに職場まで迎えに来てくれた椋。彼にお願いをしてスーパーに寄り道をしてもらった。一人で外出もなるべくしないようにしていたので、椋と一緒の時に買い物を済ませる事にしていたのだ。
 だが、今回はいつもより多めに品物を購入した。

 彼に元気になってもらいたい。
 そんな風に考えて思い付いたのは、ベタかもしれないが料理だった。
 彼の好物を沢山作ったら、椋は笑顔になってくれるのではないか。そう思ったのだ。

 花霞の考えを聞き、椋は嬉しそうに微笑み「それは楽しみだな」と言ってくれた。


 どんなメニューにするのか、デザートのケーにを買おうか。
 そんな話をしながら2人で手を繋いで歩き、荷物を車に積めた。
 彼が運転席に座り、花霞が助手席乗り込む。すると、椋のスマホが小さな音で鳴った。
 

 「悪い。………メールだ………」


 発車する前だったので、椋はスマホを開いてメールをチェックし始めた。
 花霞はそれを見て、おかしいなと異変に気づいた。椋は今までメールが届いたときはバイブにしており、音は鳴らしていなかった。メールを気にしているのだろうか。
 警察関連の連絡とも思ったが、仕事が終わった椋に連絡するとなると緊急のものが多いはずだ。連絡が来る時は、いつも電話だったと花霞は思った。

 花霞は心配なり、彼の様子を伺った。
 椋はスマホを操作して、メールをチェックしているようだった。何回か画面をタッチした後、彼の様子が変わった。

 目を見開き、明らかに動揺していたのだ。
 花霞からはもちろんメールの内容などは見れない。
 花霞は彼が感情を隠せないほどの事があったのだと思い、我慢できずに彼に問い掛ける事にした。



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