若奥さまと、秘密のダーリン +ep2(7/26)
チェックが終わったところで、向葵はもふもふのソファーにバーンと飛び込んだ。
「ひゃーーー、気持ちいい」

――こんなマンションも、ポンと買っちゃうんだな。

その感覚はわからないし、梅川のような使用人がいる暮らしぶりは、想像もできない。でも、王子さま自身は……。

夕翔を思い浮かべると、向葵の胸はキュウっと苦しくなった。

一目惚れだったと思う。
ブティックで、手を差し伸べてくれた彼を見た時から、頭は彼のことで一杯だ。

初恋と、初キッス、そして初めての……。

――あぁ、好き。本当に好き。どうしよう。

溢れる思いは抑えようもなく、トクトクと全身を駆け巡る。
< 127 / 314 >

この作品をシェア

pagetop