若奥さまと、秘密のダーリン +ep2(7/26)
ぎりぎりのところで唇を外す理由は、一言でいえば我慢。一度それで止められなくなったことがあるからだ。

「シャワー浴びてくるね」
「うん」

まずはサッと汗を流す。
部屋着に着替えてひと息ついてダイニングテーブルにつくと、そこには料理が並んでいる。

「へえ、もやしか」
「本当に自分がよく食べている料理を作ったけど。大丈夫かな」

「大丈夫だよ。楽しみだ」

向葵が普通に食べていた物を食べてみたい。それは、夕翔がリクエストしたことだった。

「えっと、もやしときゅうりと油揚げのポン酢和え。これが揚げ出し豆腐。シーチキンとキャベツのマヨネーズサラダ。あとは、残り物の食材を入れて作った茶碗蒸しと、お味噌汁」

「すごいな」

「本当はね、このうちのどれか一つしか食べないけど、今日は特別。それから揚げ出し豆腐」
説明が終わると、いつものように、瞳を輝かせてジッと見る。
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