若奥さまと、秘密のダーリン +ep2(7/26)
見上げてくる黒い瞳も、困ったように尖らせる唇も、全てが愛おしいと思った。
何か言いたそうなその唇を、キスで塞ぐ。
生き生きと話をしていた彼女は恥ずかしそうに俯いて、途端にまた静かになってしまう。
瞼を伏せて頬を染める。――可愛い、僕の妻。
過去の幻影でもなんでもいい。
いまは何も考えずに、その笑顔にただ溺れていたいと思う。
そのまま向葵を抱きしめる。
柔らかい、甘い香りを吸い込みながら、すっぽりと包み込む。
顎をすくいあげ、最初は触れるだけ、それから少しずつ深く。何度かキスを繰り返すうち、向葵の瞳が潤んでくる。
なぞる頬がうっすらと紅く高揚し、胸が波を打ち――。彼女の息が熱くなる。
この瞬間が、幸せなのだと思う。
二年は長い。
その間に、この手を離せばいい……。
いまはまだ。
――このままでいい。
食器を洗う機械音が静かに響き渡る。
それすら幸せな鈴の音のようだと思いながら、夕翔は向葵の胸元に顔を埋めた。
何か言いたそうなその唇を、キスで塞ぐ。
生き生きと話をしていた彼女は恥ずかしそうに俯いて、途端にまた静かになってしまう。
瞼を伏せて頬を染める。――可愛い、僕の妻。
過去の幻影でもなんでもいい。
いまは何も考えずに、その笑顔にただ溺れていたいと思う。
そのまま向葵を抱きしめる。
柔らかい、甘い香りを吸い込みながら、すっぽりと包み込む。
顎をすくいあげ、最初は触れるだけ、それから少しずつ深く。何度かキスを繰り返すうち、向葵の瞳が潤んでくる。
なぞる頬がうっすらと紅く高揚し、胸が波を打ち――。彼女の息が熱くなる。
この瞬間が、幸せなのだと思う。
二年は長い。
その間に、この手を離せばいい……。
いまはまだ。
――このままでいい。
食器を洗う機械音が静かに響き渡る。
それすら幸せな鈴の音のようだと思いながら、夕翔は向葵の胸元に顔を埋めた。