若奥さまと、秘密のダーリン +ep2(7/26)
就職がどうとかそんな他愛もない話のようだったが、その時にはもう、不思議なほど話の内容には、興味がなくなっていた。
向葵が気づいたかどうかはわからない。
振り返ればわかるだろうが、そうはしなかった。
矢神が車を呼びに行った間に、夕翔は梅川に電話をかけた。梅川はいわば執事で、月井家の雑務を一手に引き受けている。
そして、次に親友の氷室仁に電話をかけた。
「仁、頼みがある」
『ん? どうした?』
「頼みたい仕事がある。それと、柊子と会って話がしたい」
『――わかった。連絡がとれたら知らせる。何時がいいんだ?』
「なるべく早く。出来れば今夜」
それから一時間後、仁からメッセージが入った。
『今夜八時。俺の店に柊子が来る』
***
二十時。予定通り仁の店に行った。
向葵が気づいたかどうかはわからない。
振り返ればわかるだろうが、そうはしなかった。
矢神が車を呼びに行った間に、夕翔は梅川に電話をかけた。梅川はいわば執事で、月井家の雑務を一手に引き受けている。
そして、次に親友の氷室仁に電話をかけた。
「仁、頼みがある」
『ん? どうした?』
「頼みたい仕事がある。それと、柊子と会って話がしたい」
『――わかった。連絡がとれたら知らせる。何時がいいんだ?』
「なるべく早く。出来れば今夜」
それから一時間後、仁からメッセージが入った。
『今夜八時。俺の店に柊子が来る』
***
二十時。予定通り仁の店に行った。