若奥さまと、秘密のダーリン +ep2(7/26)

「ありがとう」

「ゆう、気づいている？　あなた、あのかわいい奥さまと話をしている時、すごくしゃべっているのよ」

「え？　そう？」

「あなた、わかっていないかもしれないけど、ものすごく無口なのよ？　でも奥さまとはとっても楽しそうに、ずっとしゃべっていたわ。奥さまのこと、本当に愛しているのね」

それから少し話をして、柊子は席を立った。


「もうすぐ真行寺が帰ってくるから、私は行くわね」
「ああ、うん。今日はありがとう」

「こちらこそ。ゆうが心配してくれたこと。うれしかったし、話せて良かった」


柊子を見送ると、柊子の席に仁が来た。

彼女の残り香が仁と入れ替わる。

「結論は出たのか？」

「ああ」

『僕に何かできることはない？』
九年前、公園で再会した柊子にそう聞いた。