若奥さまと、秘密のダーリン +ep2(7/26)
「向葵のお父さんはやり直したいって、研究をやめて、働くからってそう言ったんだけど。向葵には悪いことをしたわ。向葵からお父さんを取り上げちゃった。あなたはいい子だから、何を聞いても大丈夫しか言わなくて。我慢のし通しだったわね……。今更だけど」
「そんなことない。それよりお母さん。私がお父さんに似ているから、お母さんを傷つけているんじゃないかって」
「え? もうー、向葵ったらそんなこと思ってたの? あなたって子は本当にもう、なんでも自分で抱えちゃうから」
母は額に手をあてたまま、ため息をつく。
「そもそも向葵は私似よ? そりゃ親子だからお父さんに似ているところもあるけど、忘れちゃった? お父さんに研究者のくせに、鬼瓦みたい顔だったじゃない」
鬼瓦? 実は母が父の写真を全て捨ててしまったため、顔のはっきりした記憶がなかった。
「そんなことない。それよりお母さん。私がお父さんに似ているから、お母さんを傷つけているんじゃないかって」
「え? もうー、向葵ったらそんなこと思ってたの? あなたって子は本当にもう、なんでも自分で抱えちゃうから」
母は額に手をあてたまま、ため息をつく。
「そもそも向葵は私似よ? そりゃ親子だからお父さんに似ているところもあるけど、忘れちゃった? お父さんに研究者のくせに、鬼瓦みたい顔だったじゃない」
鬼瓦? 実は母が父の写真を全て捨ててしまったため、顔のはっきりした記憶がなかった。