若奥さまと、秘密のダーリン +ep2(7/26)

「経済学部を卒業した君は、経理部に所属される。そして明るくて頑張り屋のいい子がいると評判になる。その評判は僕の耳にも届き、秘書にしようと思う」

ワクワクしながら向葵は笑う。
「へえー、秘書？」

「そう、僕専属の秘書。そして思うんだ。こんな子が社会にいちゃいけない。僕が独占しておかないと誰かに攫われる。ライバルは幼馴染だけじゃないってね」

ハッとした。
「――幼馴染って、もしかしてあのカフェの時こと？」

ドキドキしながら向葵は目を見開いた。
健太と一緒にいたことを夕翔の口から聞くのは初めてだ。

もちろんいつか聞こうと思っていた。でも、そんなことを忘れるほど迎えに来てくれた喜は大きかったし、慌ただしく決まっていく予定に追われていたのである。

あの時、夕翔はどう思ったのか。
デートしていると思われただろうか？
――夫が出張でいないうちに他の男と、なんて……。