若奥さまと、秘密のダーリン +ep2(7/26)
佳織と矢神が戻ってきたのは、クスクス笑いながら夕翔が向葵の頬にキスを落とした時だった。
「お待たせしましたー」
片手に箱を持った矢神が扉を抑え、トレイに皿やらカップやらを乗せた佳織が入ってきた。
「お祝いしましょう。うちのボスからの差し入れです」
矢神が開けた箱に入っていたのは人気店のケーキ。
「うわっ、すごい。ありがとうございます」
カップや皿を並べる佳織を手伝いながら矢神がコホンと軽く咳をした。
その様子が既に意味ありげに見える。
怪訝そうに向葵がジッと見つめる先で、佳織の隣に矢神が腰を下ろす。部屋を出る前の彼の席は、そこではなく夕翔の隣だったのに。
――あれ? あれれ?
これはもしやと思ったと同時だった。
「実はご報告なのですが、彼女と来年結婚することになりました」
いきなりの結婚宣言だ。
姿勢を正した矢神に合わせるように、佳織も背筋を伸ばす。
「お待たせしましたー」
片手に箱を持った矢神が扉を抑え、トレイに皿やらカップやらを乗せた佳織が入ってきた。
「お祝いしましょう。うちのボスからの差し入れです」
矢神が開けた箱に入っていたのは人気店のケーキ。
「うわっ、すごい。ありがとうございます」
カップや皿を並べる佳織を手伝いながら矢神がコホンと軽く咳をした。
その様子が既に意味ありげに見える。
怪訝そうに向葵がジッと見つめる先で、佳織の隣に矢神が腰を下ろす。部屋を出る前の彼の席は、そこではなく夕翔の隣だったのに。
――あれ? あれれ?
これはもしやと思ったと同時だった。
「実はご報告なのですが、彼女と来年結婚することになりました」
いきなりの結婚宣言だ。
姿勢を正した矢神に合わせるように、佳織も背筋を伸ばす。