若奥さまと、秘密のダーリン +ep2(7/26)
「いい加減食べようか。スクランブルエッグとベーコンは焼いたんだ」
「えっ、そうなの?」

シャワーを浴びて、結局食卓に着けたのは十一時半。


「あとは私がやる」

「大丈夫だよ。じゃあ、向葵はスムージー作って」
「はーい」

サラダとクラムチャウダーとスクランブルエッグとベーコン。そしてスムージー。
時間はすっかりランチなのにメニューは朝食。

でも向葵は満足げに頬を上げる。
「いただきまーす」

「向葵、髪伸びたね。そのまま伸ばすの?」
半渇きの髪は、肩より少し長い。

「うん。ドレスを着る時にね、長いほうがアレンジが効くでしょう?」

「ああなるほど、なんかちょっと大人っぽくなった」

ちょっと照れたようにフフッと目を細める彼女は、今の言葉がとてもうれしかったらしい。
「よかった」と言ってうれしさを隠すように唇を噛む。

実のところ夕翔はショートヘアーの少年のような向葵も結構気に入っていた。
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