若奥さまと、秘密のダーリン +ep2(7/26)
泣きそうな向葵の両肩を掴んで、佳織は力強く頷いた。
『わかったわ、私に任せなさい。評判のいい病院を調べるから。ちょっと待って』

病院には佳織も付いて行った。
それはもう自分のことのように居ても立ってもいられずドキドキで、『赤ちゃん、いました』恥ずかしそうにそう言った向葵に、良かったと泣きながら抱きついた。

自然と視線は向葵のお腹にいってしまう。

「夕翔さんには昨夜、報告しました」
「そう。喜んだでしょう?」

恥ずかしそうに頬を染めた向葵は、照れるようにクスッと笑った。
「『赤ちゃんができたの』って言ったら、絶句して、お箸落としちゃって。慌てた拍子にカップも倒しちゃって、もう大変」

「あはは」
「でも、とっても喜んでくれました」
向葵を抱きしめて、その後お腹にはりついた彼を思い出しながら向葵はクスクスと笑う。

「怖いけど、私がんばります」
「うん。一緒にがんばろう」
 
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